Bosch Power Tools は、Confluent Cloud で IoT データをストリーミングすることにより、デジタル変革とスマートツールの革新を推進します。

Bosch Group は、モビリティソリューション、インダストリアルテクノロジー、コンシューマーグッズ、エネルギー・建築技術の4つの事業部門で事業展開するテクノロジーとサービスの大手グローバルサプライヤーです。IoT の大手企業として、同社はスマートホーム、スマートシティ、コネクテッドモビリティ、コネクテッド製造向けの革新的なソリューションを提供しています。センサー技術、ソフトウェア、サービス、そして独自の IoT クラウドにおける専門知識を駆使し、コネクテッドでクロスドメインなソリューションをワンソースで提供します。Bosch Group の戦略的目標はコネクテッドライフのためのイノベーションを実現することであり、革新的で熱意を掻き立てる製品とサービスを通じて世界中の生活の質を向上させることを目指しています。

Bosch Power Tools は、Bosch Group の一部門で、60か国以上に約20,000人の従業員を擁し、電動工具、電動工具アクセサリ、測定工具を提供する世界有数の企業です。Bosch Power Tools は、Bosch Group の全体的なデジタルトランスフォーメーション施策（サービス、センサー、ソフトウェアを組み合わせた「3S」IoT 戦略）に合わせ、スマート電動工具からのセンサーデータを活用した IoT ソリューションと新たに再設計されたモバイルアプリにより、製品のユーザー体験をパーソナライズすることを目指しました。

この変革と将来の変革を促進し加速するために、Bosch Power Tools（Business Digital Organization（BDO）Digital Offerings）は、Bosch IoT Hub、Microsoft Azure、Confluent Cloud Enterprise を Apache Kafka® とともに活用する共通プラットフォームを構築しました。Bosch Power Tools の IoT アーキテクチャの重要なコンポーネントである Confluent Cloud は、リアルタイムのイベントベースのストリーミングとイベントの永続的なストレージにより、アプリケーションとマイクロサービス間の非同期通信を可能にします。このアーキテクチャは、幅広い開発プロジェクトを結び付ける共通基盤として機能し、今後数か月から数年にわたる急速なイノベーションの基礎を築きます。「Confluent Cloud と Kafka は、当社のあらゆるプロジェクトの中心となり、新しいモバイルアプリのバックエンドとしての機能や組み立てラインとレガシーシステムからのデータ収集に役立っています」と、Bosch Power Tools BDO Digital Offerings のソリューションアーキテクト Ralph Debusmann 氏は述べています。「当初から、データを一度ストリーミングするだけでなく、それを再生できることに興味がありました。Confluent Cloud と Kafka を使用することで、データを無期限に保存できる単一の信頼できる情報源が確立できます。また、イベントストリーム上に必要な頻度と数の新しいアプリケーションを構築できるようになった点も素晴らしいですね。」

10数名のソリューションアーキテクトからなる小規模なチームが、Bosch Power Tools の中核となる IoT アーキテクチャの開発とその実装・運用管理を担当しています。チームの規模は限られているため、アーキテクトの一人ひとりがシステムの保守ではなく、ビジネスニーズへの対応とソリューションの開発に集中することが不可欠となります。「Bosch は大企業ですが、私たち BDO Digital Offerings はまだ小さなチームです。「プロジェクトの数が多いため、Kafka を自分たちで管理する時間はありません」と Debusmann 氏は語ります。「Confluent Cloud を使用すれば、自己管理に伴うオーバーヘッドや心配は一切ありません。99.95%の稼働率を保証する SLA 、24時間365日対応の Kafka のエキスパートによるサポート、加えて最新の Kafka 開発にアクセスできます。クラスターの管理について心配する必要がないため、新しい機能の提供や付加価値の向上に多くの時間を費やすことができます。」

Bosch Power Tools はすでにこのアーキテクチャに基づいたいくつかの新しいアプリケーションを導入しており、さらに多くのプロジェクトが計画中または進行中です。これらのアプリケーションは、Confluent KSQL ストリーミング SQL エンジン、Kafka Streams、ログベースの変更データキャプチャ（CDC）などの機能を組み込むことで、リアルタイムのアラートと、製造工場、ディーラー、ツール所有者、全社のその他のソースからのデータをマージして表示する新しいリアルタイムダッシュボードをサポートします。Bosch Power Tools は、無駄のない建設現場管理のための斬新なソフトウェアソリューション「RefineMySite」も構築しました。これは完全にイベントベースで、Schema Registry などの Confluent Cloud の最新かつ最高の機能を活用しています。まもなく、同社は販売後のツールからデータを受領するようになります。1つのソースはデバイスのデータを読み取る修理サービスであり、もう1つのより重要なソースはライブフィールドデータです。

ビジネス面での成果

メンテナンスが少なくスケーラブルなイベントストリーミングプラットフォームの確立。 「私たちチームにとって、Confluent Cloud の主な利点は、Kafka Cluster やそれにまつわる DevOps の問題を心配する必要がないことです」と Debusmann 氏は言います。「そして、その後、データを追加するたびに、Confluent を信頼して、要件を満たすようにクラスターを再構成できます。すべてのプロジェクトからデータを取り込み、それを保持、共有、再生できます。インフラストラクチャについて心配する必要はありません。」

少人数のチームで最先端の地位を維持。「当社のインフラストラクチャの主要部分のコードの大部分を開発した Confluent が後ろ盾になってくれるのは嬉しいことです」と Debusmann 氏は言います。「Kafka の最新の開発をすべて利用できることがわかっているので、比較的小規模なグループであっても、最新のソフトウェア開発の最先端に居続けることができます。」

デジタルトランスフォーメーションの基盤の整備。「Confluent Cloud のおかげで、私たちのビジョンを実現することができました」と Debusmann 氏は言います。「プロジェクトが増え、チームやビジネスユニット間でより多くの Topic が共有されるにつれて、販売やマーケティングのデータと生産や製造のデータが単一のプラットフォームに統合され、革新的な新製品につながるまったく新しい機会が開かれることになります。」

技術的ソリューション

Bosch Power Tools のソリューションアーキテクトグループは、24時間365日対応のサポート、無制限のスループットと保持、99.95%の稼働率保証を備えた Confluent Cloud Enterprise を導入する前に、Confluent Cloud の基本バージョンを使用していくつかのパイロットプロジェクトに取り組みました。これらの初期プロジェクトの後、同グループは、Confluent Cloud、Microsoft Azure、Bosch IoT Hub に基づく共有 IoT アーキテクチャを構築しました。これは、さまざまなプロトコルを介してデバイスが IoT アプリケーションに安全に接続できるようにする、完全マネージド型のクラウドサービスです。

新しいアーキテクチャは、いくつかの新しいアプリケーションの開発をすぐに開始するのに役立ち、すべてのアプリケーションが同じイベントストリーミングプラットフォームを共通の基盤として共有する環境を整備しつつ、開発をサードパーティの開発チームにアウトソーシングすることができました。これらのアプリケーションの中で最も先進的で最も有望な「RefineMySite」は、アジャイル原則に基づいた建設現場管理のためのデジタルプラットフォームを提供します。Confluent Cloud によるリアルタイムイベントストリーミングを活用したクラウドソリューションにより、共同での計画とコンサルティング、調整、コミュニケーションのすべてが可能になります。例えば、計画の更新は、Kafka とサーバーサイドイベントの組み合わせを使用して、建設現場のすべての関係者にすぐに公開されます。

2番目のアプリケーション「Pro360」は、在庫・資産管理のための最新かつスケーラブルなソリューションを実装し、KStreams、KTables、Materialized View などの最新の Kafka 機能を多用します。HGApp は Confluent Cloud を使用してインターネット上の Bosch ブランドの掲示板を便利なアプリに統合し、今後の IoT プロジェクトの出発点として活用します。Bluehound を使用すると、倉庫から作業現場まで、作業者はいつでもどこでもツールやその他の機器を追跡、管理、特定できます。

他のプロジェクトでは、Confluent KSQL や Kafka Streams などの機能を組み込んでイベントをリアルタイムで処理・応答することで、イベントストリーミングアーキテクチャを使用して組立ラインと現場データを結合することを目指しています。最終的には、Bosch Power Tools の IoT 向けの超軽量の「データベースレス」かつ「サーバーレス」なアーキテクチャを目指しています。Bosch Power Tools は、これらのアプリケーションの開発と運用を通じて、プロジェクトを順調に進めるために Confluent からのタイムリーなサポートに依存してきました。「問題が発生するたびに、ここドイツにいる Confluent のエンジニアの1人に電話で相談して回答を得ることができます」と Debusmann 氏は言います。「当社の開発チームも Confluent にサポートを依頼し、その問題は解決され、結果に満足しています。」

Debusmann 氏は、Confluent Cloud が Bosch Power Tools に競争上の優位性をもたらし、同社は市場の他の企業に対して大幅にリードできていると述べています。「多くの企業では、いまだにデータとの格闘が続いています。データを別のデータベースやテーブルに移動してから、またそのデータと格闘するという具合です。イベントストリームで最新のデータを常に活用するという概念は非常に新しいため、まだ理解していない人もいます」と同氏は言います。「Kafka は現代のあらゆるインフラストラクチャに欠かせない存在となっています。しかし、これを認識しているすべての企業が、Kafka を実際に開発している専門家によるサポートのもたらす価値について十分に考えているわけではありません。Confluent Cloud と Kafka はすでに当社のアーキテクチャの中核を成しています。近い将来、Kafka を使用したリアルタイムイベントストリーミングが、最新のソフトウェア開発を行うあらゆる企業のインフラストラクチャの重要な一部になると予想しています。」

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