"Our hyper-personalized approach is delivering measurable results. In our A/B testing, we’ve seen a significant increase in customer conversion rates. That is proof that our decision to adopt a real-time event streaming approach was the right one."
Jon Vines
Engineering Lead, AO.com
AO は英国有数の電気小売業者で、過去20年間オンラインを中心に事業を展開し、英国およびドイツ全土の数百万人の顧客に9,000点以上の電気製品を販売しています。AO は顧客を第一に考えることに誇りを持ち、さらに4,000人の従業員が働くだけでなく成長できる素晴らしい環境を作ることにも熱心に取り組んでいます。
コロナ禍により消費者の購入習慣は劇的に変化し、AO の成長は急加速しました。AO の創設者兼最高経営責任者である John Roberts 氏は、「コロナ禍で顧客行動のオンラインショッピングへの移行が加速しました。わずか10週間で10年相当の消費者行動が変化したのです」と説明し、変化の大きさを強調します。
この急成長を支えるために必要な急速な変化を可能にしたのが、Confluent と Apache Kafka® をベースにしたリアルタイムイベントストリーミングプラットフォームです。このプラットフォームにより、AO のカスタマーパーソナライゼーションチームは、過去の顧客データをクリックストリームデータや全社からのその他のリアルタイムのデジタルシグナルと組み合わせ、高度にパーソナライズされたオンライン体験を提供できます。同様に、AO の開発チームが新しいビジネス機能の展開を加速できるようになったことも重要です。
「躍動するデータ(Data in Motion)と Confluent により、機能を迅速に提供できるだけでなく、組織を効果的に拡張するために必要なガバナンスとガードレールも整備できています」と、AO のエンジニアリングリードを務める Jon Vines 氏は言います。「コロナ禍に際し、世界が実店舗での購入からオンライン購入へ急速に移行したため、こうしたスピード感がさらに重要になりました。Confluent Cloud を使用してカスタマージャーニーを改善する新しいユースケースを迅速に作成できるため、継続的な変化に適応しながらも、オンライン市場でのリーダーの地位を固めることができます。」
AO は、高度なパーソナライゼーションに重点を置いた最初のイベントストリーミングユースケースの導入成功後、Confluent Professional Services と連携してイベントストリーミングの成熟度を急速に高め、データの再利用、スケールの効率性、プラットフォーム効果が相互に強化されるレベルまで構築を進めました。「チームが新しいユースケースを提案し、さまざまなソースからのイベントストリームを組み合わせるスピードは速くなっており、チームをプラットフォームに引き込むスピードも同様です。私たちはまさに次の段階に移る瀬戸際にいます。イベントストリーミングの利用とそこから得られる価値が雪だるま式に増え始め、日々勢いを増しています」と Vines 氏は言います。「当初の取り組みはオンライン販売に重点を置いたものでしたが、今後は Confluent Cloud とイベントストリームを使用してレイヤーや組織全体で統合することで、例えば、配送などの運用効率を向上させていきます。」
ビジネス面での成果
リアルタイムのハイパーパーソナライゼーションで顧客体験が向上。 「当社のお客様には、個々のニーズに私たちが即座に対応したときに最も満足いただけます」と Vines 氏は言います。「Confluent Cloud を使用すると、顧客それぞれに単一のビューを作成し、ショッピングの意思決定に役立つ製品の提案や関連するプロモーションなど、顧客が望むものをその瞬間に提供できます。こうした高度なパーソナライゼーションが、当社にとって大きな差別化要因となり、AO の使命の核心でもあります。」
顧客コンバージョン率が最大30%向上。「Confluent Cloud を使用したイベントストリーミングは測定可能な成果を生み出しています」と Vines 氏は説明します。A/B テストでは、顧客のコンバージョン率が大幅に改善され、改善率は最大30%に達しました。これは、リアルタイムのイベントストリーミングアプローチ導入を決めた当社の決定の正しさを証明するものと言えましょう。機能を拡大し続け、新しいユースケースへと拡張するにつれて、さらに大きなメリットが得られることを期待しています。」
イノベーションのペースが加速。「Confluent Cloud は、イノベーションの推進に必要なツールを提供してくれます。「Confluent Cloud を介してデータをイベントストリームとして利用できるようにしたところ、すぐに2、3の他のチームが加わり、当初の計画では考慮されていなかった複数のユースケースでそのデータにアクセスするようになりました。これらのチームは、新たなポイント間統合を作成することなく、分離された方法で目標を迅速に達成することができます。その結果、アジャイル性が高まり、組織の他の部分への依存が少なくなったため、チームはより迅速に行動できるようになりました。」
開発者が運用ではなく付加価値機能に注力できるように。「Confluent Cloud の導入以前は、ブローカーに障害が発生すると開発者が問題の解決まで開発作業を中止して運用に専念せざるを得ず、場合によっては対応に3日もかかっていました」と Vine 氏は振り返ります。「Confluent Cloud では、完全マネージド型での堅牢な本番用 Kafka Cluster が活用でき、サポートも完璧です。Confluent が当社に代わってすべてに対応してくれるので、当社の開発者は、事業の付加価値を増す新機能やアプリケーションの開発に注力できています。」
ビジネスのスピードに合わせてデータを活用。統合された在庫状況データにより、カスタマージャーニーをよりわかりやすく示し、リアルタイムの在庫更新を通知し、表示された商品の在庫が確実にあることを保証できます。
技術的ソリューション
AO のチームのイベントストリーミングの最初のステップには、変更データキャプチャ(CDC)を使用して注文処理システムなどのシステムから情報を抽出することが含まれていました。ここから生まれるストリームは、AWS EC2 インスタンスでホストされている自己管理型の Kafka クラスターによって処理されていました。このセットアップはその後 Confluent Cloud に置き換えられ、現在は未加工の Topic と、Kafka Streams API 経由で追加の顧客コンテキストで充実化された Topic を介し、AO のウェブサーバーからのクリックストリームイベントも処理しています。充実化された Topics は同社のバックエンドサービスにイベントを送信し、そのイベントはウェブサーバーに送られ、高度にパーソナライズされたデータを顧客体験に注入します。「Confluent Cloud を AWS 上で実行することで、クラウドネイティブアプローチのスケーラビリティを活用してアプリケーションを構築することができます」と Vines 氏は言います。「また、これらのアプリケーションを分離し、必要に応じて最新化することもできます。SQL Server や MongoDB などのソースからデータを取り込みながら、Fargate、Lambda、S3 などのサービスと統合することで、クラウドネイティブのネイティブフットプリントを拡大することができます。」
Streams API や Confluent Cloud Schema Registry に加え、S3 Sink、HTTP Sink、MSSQL ソース、MongoDB ソースなどの Kafka Streams API の使用は、AO のイベントストリーミングジャーニーにおいて重要な役割を果たしてきました。Kafka Streams により、AO のチームはイベントストリームを変換および強化することができ、Schema Registry は効果的なデータガバナンスをサポートする進化可能なデータモデルを提供し、コネクターにより Kafka を他のシステムに簡単に統合できるようになります。「The Streams API in Kafka は、さまざまなビューを構築し、新しいストリーム処理アプリケーションを作成できるという点で、私たちにとって非常に重要です」と Vines 氏は言います。「また、Schema Registry を使用すると、プロデューサーとコンシューマーが明確に分離されるため、既存のアプリケーションを壊す心配をせずに、新しいタイプのデータを簡単に追加できます。」
AO は、最初のイベントストリーミングのユースケースの勢いを生かすため、その中小企業に関する経験を活かし、躍動するデータ(Data in Motion)の活用を実現するよう Confluent の Professional Services に依頼しました。「当初のデータストリーミングのユースケースでの成功と最近の大幅な成長により、一歩引いて、より戦略的な方法でデータを使用することを考えるようになりました」と Vines 氏は言います。「私たちは、組織の資産としてのイベントプラットフォームの価値を高めたいと考えていました。そのためには、このプラットフォームを効果的に使用するためのチーム内のスキルと専門知識の強化も必要となります。」
このプロジェクトの主な目的は、AO のより多くのチームがイベントストリーミングプラットフォームのメリットを実現し、貢献できるようにすることでした。「この最初の取り組みの最大の目標の 1 つは、チームが自立的にプラットフォームを利用し、すでに存在するデータを見つけて使用する方法を理解し、ドメインからデータを提供するという全体的なアプローチと一致する Topic を作成できるようにするためのセルフサービス能力の確立でした」と Vines 氏は言います。「ここで重要となるのが、ガバナンスと発見のしやすさでした。例えば、Topic 名から入手可能なデータの種類、個人情報が含まれているかどうかに至るまで、Topic を当社の全体的なアプローチと戦略と一致させたかったためです。」
この取り組みの一環として、Confluent のエンジニアは、メタデータ管理、プロセス管理、イベントストリーミングプラットフォームへのチームのオンボーディングを支援する新しいツールを提供しました。ナレッジグラフに基づいて、このツールはプラットフォームとプロセス管理ソフトウェア間のリンクを提供します。「このツールにより、より制御された方法で Topic の作成に取り組むことができます。「開発者が自由に Topic を作成するのではなく、より安全で、適切に管理されたプロセスが実現しました」と Vines 氏は言います。「このツールを使用すると、確立したガイドラインに従って、かつ迅速に Topic を作成できます。手が離せない可能性のある誰かの正式な決定を待つのではなく、ベータ環境から本番環境へ約30分でデプロイできます。」
さらに、AO のチームは、Kafka Streams を採用することで、Confluent のエンジニアの経験を活かしてカスタマージャーニーをより適切にガイドし、レイテンシの短縮で顧客体験を向上させることができました。「Kafka Consumer API と Producer API を使用してビジターセッションのビューを生成するアプリケーションがありましたが、セッションオブジェクトのサイズによっては、遅延が発生し始めました」と Vines 氏は言います。「その機能を Kafka Streams を使用したストリーミングアプリケーションに移行することで、はるかに一貫性があり、迅速に状態を維持できるようになり、平均レイテンシとデータベース呼び出しの数が大幅に削減されました。」
Vines 氏は、AO のイベントストリーミングの取り組みを次のように総括しています。「私たちは、最もシンプルかつ簡単な方法で、お客様にとって素晴らしい存在でありたいと考えています。お客様のニーズを理解し、リアルタイムで対応し、すべてのお客様に自分の家族のように接することで、私たちは約束を果たしています。Confluent Cloud は当社にとって非常に重要な推進力であり、あらゆる瞬間を1対1の機会として捉え、優れた顧客体験を提供できるようになります。当社の取り組みはまだ終わっていません。私たちが学び、革新を続ければ、その可能性はほぼ無限になります。」
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